皆さん、こんにちは!銀河箱の店長Yasuです。

「AIアプリを開発したいけど、プログラミングの経験がまだ浅くて…」

「新しいアイデアがあるのに、実装に時間がかかってしまって、なかなか形にできない…」

若手技術者の皆さんの中には、そんな悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか?AI技術の進化は目覚ましく、日々新しいツールやフレームワークが登場しています。その中でも、今、特に注目されているのが「ノーコード開発」です。

今回は、Googleが提供するAI開発プラットフォーム「Google AI Studio」と、その強力なAIモデル「Gemini」を組み合わせることで、まるでパズルを組み立てるように、コードを一切書かずにAIアプリを開発できてしまう驚きの世界をご紹介します!

ノーコード開発って、一体なに?

まず、「ノーコード開発」とは何かを簡単に説明します。

その名の通り、プログラミングコードを一切書かずにソフトウェアやアプリケーションを開発する手法のことです。通常、アプリ開発にはPythonやJava、JavaScriptといったプログラミング言語を使ってコードを記述する必要がありますが、ノーコード開発では、グラフィカルなインターフェース上でパーツをドラッグ&ドロップしたり、設定項目を選択したりするだけで、機能を作り上げていきます。

「コードを書かずに開発なんて、本当にできるの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんね。しかし、最近では非常に高機能なノーコード開発ツールが登場しており、専門知識がない人でも、アイデアを素早く形にできるようになっています。

Google AI StudioとGeminiが切り開くノーコードAI開発

さて、本題の「Google AI Studio」と「Gemini」についてです。

Google AI Studioは、Googleが提供するAI開発プラットフォームで、特に生成AIモデルであるGeminiを扱うことに特化しています。そして、このGoogle AI Studioには、プログラミング知識がなくてもGeminiモデルを組み込んだアプリケーションを開発できる**「ノーコード開発機能」**が搭載されています。

具体的には、以下のような特徴があります。

  1. 直感的なUI(ユーザーインターフェース):Google AI Studioのインターフェースは、非常に直感的で分かりやすいデザインになっています。まるでプレゼンテーション資料を作成する感覚で、AIモデルの入力や出力を設定し、動作をテストすることができます。
  2. プロンプトエンジニアリングの視覚化:Geminiのような大規模言語モデル(LLM)を使う上で重要なのが「プロンプトエンジニアリング」です。これは、AIから期待する回答を引き出すために、どのような質問や指示(プロンプト)を与えるかを設計する技術のことです。Google AI Studioでは、このプロンプトを視覚的に構築し、リアルタイムでAIの応答を確認しながら調整できます。これにより、試行錯誤しながら最適なプロンプトを見つけ出す作業が、非常に効率的に行えます。
  3. 多様なタスクへの対応:テキスト生成、要約、翻訳、アイデア出し、チャットボットなど、Geminiが得意とする様々なタスクに対して、ノーコードで簡単にプロンプトを設定し、アプリケーションに組み込むことができます。例えば、「この文章を要約して」「〇〇についてアイデアを10個出して」といった具体的な指示をAIに与え、その結果をそのままアプリに表示させる、といったことが可能です。
  4. データ形式の柔軟性:テキストだけでなく、画像、音声、動画など、多様なデータ形式をGeminiモデルの入出力として扱うことができます。これにより、よりリッチでインタラクティブなAIアプリケーションの開発が可能になります。

ノーコードでAIアプリを開発する具体的なステップ(イメージ)

では、実際にGoogle AI StudioでノーコードAIアプリを開発する際のイメージを、簡単なステップでご紹介しましょう。

  1. Google AI Studioにアクセス:Googleアカウントがあれば、誰でも無料でGoogle AI Studioにアクセスできます。
  2. 新しいプロジェクトを作成:「Create new project」から新しいプロジェクトを立ち上げます。
  3. モデルの選択:「Gemini」など、利用したいAIモデルを選択します。
  4. プロンプトの設計:ここがノーコード開発の肝となる部分です。画面左側の入力欄に、AIに何をしてほしいかを具体的に記述します。例えば、
    • 「以下の文章を500字以内で要約してください。」
    • 「与えられたキーワードに基づいて、ブログ記事のタイトル案を5つ提案してください。」 といった具体的な指示を日本語で記述します。
  5. 入力例(Example)の追加:AIがより正確な回答を生成できるように、いくつかの入力例とそれに対する期待される出力例(ペア)を設定することができます。これにより、AIの振る舞いを細かく調整できます。まるでAIに「お手本」を見せるようなイメージです。
  6. 出力のテスト:プロンプトと入力例を設定したら、すぐに「Run」ボタンをクリックして、AIの応答をリアルタイムで確認できます。期待通りの結果が得られるまで、プロンプトや入力例を繰り返し調整します。
  7. アプリケーションへの組み込み(簡易的なAPI呼び出し):Google AI Studioで設定したAIのロジックは、APIとして簡単に呼び出すことができます。厳密な意味での「ノーコード」とは少し異なりますが、生成されたコードスニペットをコピー&ペーストするだけで、既存のウェブサイトやアプリケーションに組み込むことが可能です。これにより、例えばWebサイトにチャットボット機能を搭載したり、メール作成補助機能を導入したりといったことが、プログラミング経験が浅くても比較的容易に行えるようになります

なぜ若手技術者こそノーコードAI開発を学ぶべきなのか?

「やっぱりコードを書くのがエンジニアの仕事でしょ?」

そう考える方もいるかもしれません。もちろん、プログラミングスキルは非常に重要です。しかし、ノーコード開発を学ぶことには、若手技術者にとって計り知れないメリットがあります。

  • アイデアを素早く形にできる:複雑なプログラミング知識がなくても、思いついたアイデアをすぐにプロトタイプとして開発できます。これにより、試行錯誤のサイクルを高速化し、フィードバックを迅速に得ることができます。
  • AIモデルの理解を深める:実際にAIモデルを触り、プロンプトを調整する中で、AIがどのように思考し、どのような出力傾向があるのかを感覚的に理解できます。これは、将来的にコードベースでAI開発を行う際にも非常に役立つ経験となります。
  • 非技術者との連携をスムーズに:ノーコード開発ツールは、非技術者にも理解しやすいインターフェースを持っています。ビジネスサイドのメンバーやデザイナーなどと、共通の画面を見ながらアイデアを具体化していくことで、コミュニケーションの齟齬を減らし、開発プロセスをスムーズに進めることができます。
  • 最新技術のキャッチアップ:AIの進化は非常に速く、常に新しい技術が登場しています。ノーコードツールは、最新のAIモデルを手軽に試すことができるため、最先端の技術トレンドに乗り遅れることなく、自身のスキルをアップデートしていくことができます。

まとめ

Google AI StudioとGeminiを使ったノーコードAI開発は、若手技術者の皆さんにとって、AIの世界への強力な入り口となり得ます。プログラミングの障壁を感じることなく、直感的にAIと対話し、アイデアを形にする楽しさを体験できるでしょう。

まずはGoogle AI Studioにアクセスして、実際にGeminiを触ってみてください。テキストを入力して、AIがどのような回答を生成するか、色々なプロンプトを試してみてください。きっと、AIの持つ無限の可能性に驚かされるはずです。

「コードを書く」ことだけがエンジニアの仕事ではありません。いかにアイデアを具現化し、社会に価値を提供できるか。そのための強力なツールとして、ノーコードAI開発は、これからの時代を生き抜く若手技術者の皆さんの強い味方になることでしょう。

●Google Cloudで新規プロジェクトを作成する手順は以下の通りです。

1. Google Cloud コンソールにログインする

  • ウェブブラウザで Google Cloud Console にアクセスし、Googleアカウントでログインします。

2. プロジェクト作成ページに移動する いくつかの方法があります。

  • 方法1: ナビゲーションメニューから
    1. Google Cloud コンソールの左上にあるメニューアイコン (三本線) をクリックします。
    2. 「IAM と管理」>「プロジェクトを作成」を選択します。
  • 方法2: 現在のプロジェクト選択から
    1. 画面左上にある現在のプロジェクト名(例: “My First Project”)をクリックします。
    2. 表示されるダイアログの右上にある「新しいプロジェクト」をクリックします。
  • 方法3: リソースの管理ページから
    1. Google Cloud コンソールの「リソースの管理」ページに移動します。
    2. ページの上部にある「プロジェクトを作成」をクリックします。

3. プロジェクト情報を入力する 「新しいプロジェクト」ページで、以下の情報を入力します。

  • プロジェクト名: プロジェクトのわかりやすい名前を入力します。これは後で変更可能です。
  • プロジェクトID (任意): デフォルトで自動生成されますが、「編集」をクリックして任意のプロジェクトIDを入力することもできます。プロジェクトIDは一度作成すると変更できません。APIなどでプロジェクトを識別する際に使用されるため、慎重に決定してください。
  • 請求先アカウント: このプロジェクトで使用する請求先アカウントを選択します。請求先アカウントをまだ設定していない場合や、1つしか持っていない場合はこのオプションが表示されないことがあります。プロジェクトを請求先アカウントに関連付けるには、請求先アカウント管理者またはプロジェクトの支払い管理者である必要があります。
  • 場所 (任意): プロジェクトを関連付ける組織がある場合は、「参照」をクリックして目的の組織を選択します。組織がない場合は「組織なし」を選択します。

4. プロジェクトを作成する 必要な情報の入力が完了したら、「作成」ボタンをクリックします。

数分以内にプロジェクトが作成され、Google Cloud コンソールがそのプロジェクトのダッシュボードページに移動します。

これで、新しいGoogle Cloudプロジェクトが作成されました。このプロジェクト内で様々なGoogle Cloudサービスを利用できるようになります。

さあ、あなたもGoogle AI Studioで、AIアプリ開発の第一歩を踏み出してみませんか?

おまけ:銀河箱ラジオ

 

ノーコードでラジオを作ってみた

Build apps with Gemini

最初に気になるAIニュースのジャンルを選択させる。
スタートボタンが推されると、そのジャンルの最新のニュースを元に日本語の記事を作る。
その記事をTTSでパーソナリティが喋るラジオのような画面は明るくかわいい画面のアプリ。
アプリの名前は「GALAXY RADIO」。

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